こんにちは、猫と流木ねこりゅうの今井ケンです。
本日は、東京都にお住いのG様宅のキャットタワー製作事例をご紹介します。
香川県鎌田醤油様のキャットタワーに負けず劣らずの超大型作品となりました。
きっかけはホームページをご覧になっていただき、ご連絡いただきました。
新築のご自宅にあるアトリエ部分にジャングルジムのような大きなキャットタワーがほしいとのことでした。特に高さ240cm部分にあるキャットウォークへアクセスできるようにしてほしいとのご依頼でした。
猫種はベンガルちゃん1匹、ソマリちゃん1匹(制作中に、ベンガルをもう一匹お迎えすることになります)です。運動量ある猫種なので、たくさん遊べる楽しい設計が必要です。さらに、240cmへのアクセスを考えると必然的に最上段は220cmくらいになり、安全性・安定性を考えると土台はかなり広いものにしなければいけないだろうなと設計を考え始めました。
リクエスト内容
(1)ジャングルジムのような超大型のもの
(2)高さ240cmのキャットウォークへアクセスしたい
(3)ボウルハンモックや隠れ家など遊んだり、くつろげる場所もつくる
設計を作り始める段階で、一つ疑問がわきます。
ラフ設計の段階で、高さ220cm、幅・奥行120cmほどを想定していました。
設置場所のアトリエは、お写真で見る限りキャットタワーが入るには十分な広さがありそうですが、果たして搬入経路は確保できるだろうか?
そこでお客様に相談し、ご自宅の下見にお邪魔することにしました。
・・・・
予感は的中し、2階のアトリエにアクセスする階段の幅が70cm程度しかないことがわかりました。下見に行っておいて本当によかったと思った瞬間でした。
これで設計方針が変わります。完成品では納品できないため、パーツにわけて搬入し、現地組立の手法を採用します。
そうなると設計もある程度、パーツパーツに分けやすい設計であることを考慮に入れなければいけません。そこで今回一番工夫した点としては大きな中間台座を入れて、キャットタワーを上下にセパレートすることでした。高さ2m以上の幹を搬入するのはおそらく難しいだろうと判断し、キャットタワーを上部と下部に2部構成にします。
そのような製作の条件もお客様にご理解いただき、一緒にラフデザインを考え、お客様が描いていただいたデザインをもとに製作することにしました。
デザインや搬入方針が決まったので、素材集めがスタートします。
まず一番肝になったのが、大きな中間台座でした。
ここが今回のキャットタワーのメインパートです。こんなに大きな丸太素材はあまりありません。むろん、流木ではほぼ見つからない大きさです。
そこで、目を付けたのが古材でした。
何十年前(もっと古い?)のテーブルであったであろう、古材をとあるルートから入手することができました。
外には塗装がされています。これを慎重に削り取っていくと・・・
中からは木目が二つで、かつ密な木目の美しい表情が出てきました。大当たりです。
キャットタワーのシンボルになること間違いなしです。
本当は、搬入のしやすさを考えて、中間台座も4分割に切ってしまおうと考えていたのですが、この美しい木目に刃を入れることがためらわれ、中間台座は切らずにこのまま使うことを決心しました。
お客様ご夫妻も函南の工房に一度見学にきてくださり、直接この古材を見ていただき、ご納得いただけました。
中間台座が決まったところで、パーツを作りこんでいきます。
ボウルハンモックは太い丸太流木を彫り込んで作っていきます。
次に工房内で、仮組みをしていきます。
工房は山の上にあり、外気が入ってくる場所なので、冬の作業は寒くて過酷な中行われていきます。
徐々に完成形に近づいていきます。
工房内で9割方仮組みが終わったところで、解体し、車でお客様宅へ運搬搬入していきます。
今回は、お客様宅での組み立ては丸1日(+予備日1日)でスケジュールを立てました。
組立のダイジェストがこちら。
組立てている最中も、ソマリちゃん、ベンガルちゃんたちは興味しんしんで遊びはじめてしまいます。(安全には配慮して、猫ちゃんが入ってきてしまったときは危険な作業は止めています)
すでに猫ちゃんたちが楽しそうで、スタッフ一同、笑みがこぼれます。
猫ちゃんたち、お客様ご夫婦に見守られながら完成!!
設置は1日で終わることができました。
新築のおしゃれなアトリエに似合う、豪華なキャットタワーになりました。
お客様はここにご自身でフェイクグリーンの装飾もつけたいとのことでした。植物とも相性抜群だと思います。
地上部は大樹のように枝がはり、中間台座より下には根のように流木を這わせ、タワー全体が巨大な木のようなデザインにしました。根っこの部分は猫ちゃんたちがかくれんぼできます。
他にも最上段の一つにも隠れ家を配置。
写真では見えないのですが、隠れ家の台座には流木にもともと空いていた穴があり、そこからねこじゃらしのおもちゃなどを出し入れすると猫ちゃん大喜びでした。
ボウルハンモックは猫ちゃんが安全に眠れるように中間程度の高さに設置しました。
ボウルハンモックの掘り込みもあえてきれいな球体にせず、ところどころ凹凸があるようにしました。これは猫ちゃんが体を添わせて好きなポジションで寝れるようにしている工夫です。
製作期間は4か月ほどでしたが、実はお客様からご連絡をいただいてから完成までは10か月ほどかかりました。設計や素材探しの部分で特にお時間をいただいてしまいました。根気よく待っていただきました。お客様ご夫婦はご自宅の下見も快く迎え入れていただきましたし、設置の日も大変暖かくもてなしていただきました。構想から完成までの間に新しいベンガルちゃんも家族に加わり、よりにぎやかにキャットタワーで遊んでくれると思うと作り手として幸せです。
設置した翌日、さっそくお客様からご連絡があり、1匹のベンガルちゃんは一晩中キャットタワーで寝てくれたそうです。本当に嬉しいお声です。
長くなりましたが、東京都G様宅の超大型流木キャットタワーのオーダーメイド製作事例でした。
猫と流木ねこりゅうではオーダーメイドでキャットタワーをお作りしております。猫ちゃんと飼い主さんの理想の一本を形にします。まずは設計相談は無料ですので、HPやDMにてお問い合わせください。
猫と流木ねこりゅう 代表
今井ケン
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